関東自動車:西那須野駅~五峰の湯

西那須野から黒羽方面へ、約1時間。2019年8月乗車。

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五峰の湯にて。画面右に見えるのが、大田原市営の温泉施設、五峰の湯。(2019/08)

15:10 西那須野原駅発 五峰の湯行き

JTB時刻表の索引地図には、JR東北本線西那須野駅から、3本のバス路線が伸びている。西口発の塩原温泉行き(2018/12の記録)と、東口発の馬頭車庫行き(2019/03の記録)、および五峰の湯行きである。五峰の湯は、黒羽にある大田原市営の温泉。要するに本路線は、かつて西那須野駅と黒羽駅を結んでいた東野鉄道に対応する。半世紀以上前(1968年)に廃線になった鉄道に思いをはせて、バスを待った。

意外にも、バスは発車時刻より少し遅れてやって来た。国際医療福祉大学(以下、福祉大)から来たバスが、折り返し五峰の湯行きになるようである。数人の客を降ろしたバスは、また10人程度の客を乗せて、すぐに発車した。車両は、東武グループ色をまとった元東野交通車だった。

しばらく大田原市街を走り、蛇尾(じゃび)川を越える。新屋敷付近で少し小高い山を越えたあたりから、遠くに来た感じが出てきた。国道461号線をそのまま進んでいき、奥沢交差点で左折。これは福祉大に寄るため。金丸交差点で国道に復帰、そのまま農地の中を快走すると、大豆田。ここで自由乗降区間終了の放送が流れた。那珂川に沿った黒羽の街中を進む。そのたたずまいは、遠くない馬頭のそれを思い出させた。黒羽出張所バス停に到着、黒羽車庫に入って転回する。ここが、東野鉄道廃線時の終点である。

黒羽車庫
車窓から、黒羽車庫を眺める。東武グループ色および旧東野交通色の車両が見える。この砂利敷きの敷地に入って転回する。(2019/08)

少し道を戻り、那珂川を渡る。すると今度は、田町ロータリーに入りぐるりと一周、さらに黒羽支所への飛び出し区間に進み、そこでも転回。途中、黒羽に長く滞在した芭蕉に関する案内板を、車窓から眺める。その後はくねくねとした道を進み、上下線で別々に橋がかけてある下高橋を渡る。まもなく、白ナンバーが印象的な市営バスと離合。そして本路線のハイライト、黒羽高校へ向かう急カーブと急坂を迎える。道も少し狭い。黒羽高校で、乗客は私一人になった。この最後の飛び出し区間から戻ってきて、堀之内交差点で左折、森の中の坂道を登っていくと、まもなく視界が開けた。終点、五峰の湯。約1時間の乗車だった。200円。

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五峰の湯にて。西那須野から乗ってきたバスは、折り返し大田原市役所行きになった。(2019/08)

16:50 五峰の湯発 西那須野駅行き

何と五峰の湯は、冷房の故障で臨時休館だった。連日の酷暑だから、仕方がないだろう。駐車場にもほとんど車が無かった。乗ってきたバスは、まもなく大田原市役所行きになって発車していった。

五峰の湯は黒羽運動公園の目の前にある。公園内、高台のベンチで涼んでいると、バスがやって来たのが眼下に見えた。まだ発車時刻まで時間がある。私はゆっくりバス停に向かった。

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五峰の湯にて。広い駐車場にバスが入る。(2019/08)

公開日:2019年08月17日

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