広島バスの5E (2013年03月)
2013年3月、ようやく広島への二度目の訪問機会を得た。しかし前回(2005年11月)の訪問から7年以上が経過し、状況は異なっていた。すでにリベットボディの姿は無く、5Eは最終導入グループの引き戸車がほとんど。そうは言っても、まだまだ複数の5Eが活躍中で、乗車するのも容易、楽しい時間だった。そして翌年2014年2月に、5Eは全廃されることになる [1,2]。
広島バス838: 広島22く2961
1988年式のP-MP [3]。この時の訪問で、唯一写真に納まった4枚折戸の5E車。夕方、広島駅に着くなり、いきなりやって来た。ああ感度が低く設定されたままだ…それで急いでカメラを振ったのを憶えている。広島に再び来たなと、実感した時の一枚だ。
広島バス845: 広島22く3124
1989年式のP-MP [3]。あいにくの雨の中、正面から狙う。前回、2005年の訪問時には無かったPASPYのロゴが目立つ。ステッカー一つで、顔の趣も随分変わる。
広島バス846: 広島22く3125
1989年式のP-MP [3]。稲荷町バス停に向かって勢いよくやって来た。後ろには、路面電車の線路が見える。この3125号車は、翌年2014年2月に5Eが広島バスから全廃される時の、最後の車だったようだ [1]。
発車前の一コマ。この時の訪問は泊りがけだったので、夜の姿を見られたのもよかった。マーカーランプが印象的。メッキバンパーも光っている。
ヘッドライト、マーカーランプにフォグランプも点灯して格好が良い。4枚折戸と違って、中引き戸には赤白の塗装が施されている。よって本車両のような最終導入グループの5Eは、スマートなサイドビューを誇った。
歩いていたら、ふらりと3125号車が現れて信号待ち。さっそく歩道の柵にカメラを固定して、低感度、低速シャッターでパチリ。やはり5E、後ろ姿も魅力的だ。2005年11月の記録にある2747号車の写真と見比べると、リアの看板やナンバーの位置が年式によって随分異なることが分かる。
広島バス847: 広島22く3126
1989年式のP-MP [3]。雨でどうしようもなくて、駅前バスターミナルでカメラを構えることに。すると程なく5Eがやってきた。この3126号車は側面に広告が無くて、さらにスッキリした趣だ。
広島バス848: 広島22く3127
1989年式のP-MP [3]。乗り場に着けるまでの小休止。バスターミナルは暗くて、なかなか撮影には苦労した。柵にカメラをしっかり固定しての低速シャッターだ。
写真を撮った後は、この車に乗って広島駅~祇園大橋間を往復した。夜の、発車までの静かな車内を切り取ってみた。木床がうれしい。シートは、黒い線が縦に入った、あの馴染みの柄。地色はもちろん赤色だ。
終点祇園大橋に到着すると、バスはしばらくの間、折返所で待機する。ここも真っ暗だ。ずらりと並んだメトロ窓が美しい。この後は、やはり同じ車で広島駅まで戻った。運転手さんがとても気さくな方で、東京から来た旨を伝えると大変喜んでくれた。降りる時には、明日も走るよと教えてくれて、嬉しい記憶だ。
広島バス126: 広島22く3134
1989年式のP-UA [3]。帰京するために広島駅へ歩いていた途中の、まさにスナップ写真だ。車と車の間に、5Eを見つけた時の嬉しさがよみがえってくる。私にとっては、これが広島バス5Eの最後のカットになってしまった。
参考文献
- 「The Last 広島バスの富士重工5E」YouTube, 2014/02/23
- 「【広島バス】 今は亡き5Eからの前面展望 広島駅→八丁堀」YouTube, 2013/06/24
- 「僕たちの大好きなバス」洋泉社, 2008年
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公開日:2020年04月01日